白衣の原点は白いエプロンだった

白衣の歴史は中世ヨーロッパに遡ると言われていて、戦争で傷ついた兵士たちを看護する人たちが着用していたものが発祥とされている。一説によれば古代から白衣に相当するものが存在していたとされるが、看護師が着るものとして位置付けられたのは中世のことである。この当時の白衣はワンピースにエプロンだったとされていて、白いエプロンを付けていたことから白衣の原点と考えられている。日本にも戦前に同様のナース服の文化が導入されたが、当初はヨーロッパに倣ってワンピースにエプロンだった。さらにエプロンをなくし、帽子を被るのが一般的になり、1980年代までは白のワンピースの白衣に帽子という組み合わせが主流になっていた。

ナース服が最終的にスクラブに至ったのは1990年代に入ってからのことだ。それまでは医療従事者として看護師が白衣を着用し、医師のように特別な存在として患者から見られるようにしていた。しかし、医療従事者の中でも患者に身近な存在として看護師が注目されるようになり、見た目から変更する動きが生まれた。スクラブは医療用の服として十分な機能性があり、カジュアルな雰囲気なのが特徴である。患者にとっては従来の白衣を着ているよりも身近で気軽に話をしやすい存在になると期待されたのだ。このような経緯でスクラブの普及が進むにつれて、よりカジュアルでデザインにも凝った製品が次偽に開発され、看護師の間で人気の白衣として定着しているのが現状である。